©Indian Film Festival Japan 2016 |
ドクドク。ドクリ。胸が高鳴る。身体が反応してしまう。
眩い光を見ると目が細まる、熱にあたると頬が火照るのと同じように。しばし自分という存在を忘れてしまうほど、元は真っ白なスクリーンに映し出された映像に飲みこまれてしまう。
目を見張るほど鍛え抜かれた肉体を、あらん限りの力で躍動させる俳優たち。目が離せなくなるほど可憐な肢体を、たおやかに揺り動かす女優たち。
衣装、舞台美術、ロケーション、特殊効果、そのどれもが日常を飛び越えて、私の心を魅了する。
アクション、コメディ、サスペンス、ラブロマンス……。
絢爛豪華、百花繚乱、落花流水、不撓不屈……。
今年も開催。インド映画の祭典【インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016】。第5回を迎える今回は、10月7日(金)から10月21日(金)まで、ヒューマントラストシネマ渋谷にて13本の新作インド映画が1日3~4本、2週間限定で公開される(大阪会場/シネ・リーブル:10月8日(土)~10月21日(木)まで)。
とりわけ今年は、ヒンディー映画の2016年上半期興行収入No.1を記録した『エアリフト~緊急空輸~』(16)が目玉作品として大きな注目を集めている。
90年代に起こったクウェートへのイラク軍侵攻。その傍らで、一人のインド人実業家が在住インド人17万5千人の大空輸移送に尽力した実話を基に描く、手に汗握る緊張と興奮と、その勇気に心が奮い立つ感動作。
そしてまた、同じくヒンディー映画の上半期興行収入TOP10に入る話題の4作品も上映される。
『ファン』(16)―「ボリウッド・キング」シャールク・カーンが、自身の投影のようなスーパースターとその狂信的なファンの一人二役を演じたアクション・スリラー。街中を縦横無尽に駆け回る男たちの激しい心と身体が大胆な脚本と演出によって鮮やかに表現される。
『カプール家の家族写真』(16)―インド映画の一大テーマ「家族愛」を、期待の若手監督シャクン・バトラが『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』(12)のふたりのスター俳優と豪華出演者陣と共にみずみずしく描く。
その他、実際に起こった航空機ハイジャック事件の犯人と対峙した客室乗務員の勇気を綴ったクライムサスペンス『ニールジャー』(16)、父親とその3人娘とその彼氏たちのせめぎ合いを描いたドタバタコメディ『ハウスフル 3』等、今を彩るインド映画が多数上映される。
そして最後にもうひとつ、巨匠サタジット・レイの息子サンディープ・レイが監督したベンガル映画のラブロマンス『私が恋した泥棒』も、ぜひともお勧めしたい作品である。インド映画史に新たな歴史を刻む一作として、インド映画業界以外からも多大な期待が寄せられている。
今年もヒューマントラストシネマ渋谷の入り口に通じる長いエスカレーターを上がり下がりする間に、どれだけ胸が高鳴ってしまうことだろうか。日常を飛び越えた先にある高揚感が堪らなく心地いい。
みなさまもぜひ、この心が踊る映画体験をご堪能くださいませ。
(text:大久保渉)
インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016(IFFJ2016)
日本未公開の最新インド映画を上映。インドと日本、両国の人々の交流と友好を深めることを目的とした映画祭。東京会場は、2016年10月7日(金)~10月21日(金)まで、ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催。大阪会場は、2016年10月8日(土)~10月21日(金)まで、シネ・リーブル梅田にて開催。
開催期日/場所
東京:10月7日(金)~10月21日(金)/ ヒューマントラストシネマ渋谷
大阪:10月8日(土)~10月21日(金)/シネ・リーブル梅田
公式ホームページ
http://www.indianfilmfestivaljapan.com/index.html
タイムテーブル
http://www.indianfilmfestivaljapan.com/schedule.html
©Indian Film Festival Japan 2016 |
***********************************
【執筆者プロフィール】
大久保渉 Wataru Okubo
1984年、座間市生。映画活動中。ライターとして『ことばの映画館』、『FILMAGA』、『トランシネマWEB』、少しだけ『映画芸術』、その他映画系媒体にて執筆中。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭事務局にアシスタント勤務(2016年4~7月)。インディペンデント映画の宣伝チームに参加。その他、KAWASAKIしんゆり映画祭、インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン、各種映画祭にて活動中。
Twitterアカウント:@OkuboWataru
***********************************
0 件のコメント:
コメントを投稿